
温もり
第3章 殺処分
零九は命乞いをする彼を見て、感情を抑えていつも以上に無表情になる。そうでもしないと悲鳴を上げそうだから。
悪戯に彼を苦しめる事はしたくない零九は心臓を貫こうと刀を振り上げる。
彼は死の予感に悲鳴を上げ、逃げようともがくが切られた腹部と切り落とされた腕の痛みに、もう逃げる事はできなかった。ただジタバタと手足を動かす事しか出来ない。
零九は無言で刀を振り下ろす。胴体の構造は変わっていないだろうとの推測から、背骨も肋も避けて、心臓を貫く。
ずぶりと鈍い感触も感じられない程の強い力で突き差した刀は彼の胸を貫き、固い床に弾かれる。
「う……」
彼は最期に呻き声を漏らし、くたりと力を失った。
零九は刀を抜き、ニニに壁際に追い込まれた彼らを見る。
「ニニ……」
彼らが零九の凶行に固まって動けなくなっているにも関わらず、手を出せない彼女に声をかける。べったりと血糊をつけた斬馬刀を手に持ち、ゆっくりと歩きながら。
「下がって。俺がやるから」
感情を押し込める声は絞り出すように苦しそうだ。
ニニは零九一人に全てをさせるつもりは無く、零九の様子に腹を据え怯えて固まっている彼らに目を向ける。が、その瞬間に零九は三人に襲い掛かった。
「ぎゃああああああ!」
「が、がうう、ううああ!」
「ああ! ああああ!」
泣いて懇願する彼らに、零九は刀を振り下ろす。冷徹に、冷酷に、一片の優しさも容赦もなく。
悪戯に彼を苦しめる事はしたくない零九は心臓を貫こうと刀を振り上げる。
彼は死の予感に悲鳴を上げ、逃げようともがくが切られた腹部と切り落とされた腕の痛みに、もう逃げる事はできなかった。ただジタバタと手足を動かす事しか出来ない。
零九は無言で刀を振り下ろす。胴体の構造は変わっていないだろうとの推測から、背骨も肋も避けて、心臓を貫く。
ずぶりと鈍い感触も感じられない程の強い力で突き差した刀は彼の胸を貫き、固い床に弾かれる。
「う……」
彼は最期に呻き声を漏らし、くたりと力を失った。
零九は刀を抜き、ニニに壁際に追い込まれた彼らを見る。
「ニニ……」
彼らが零九の凶行に固まって動けなくなっているにも関わらず、手を出せない彼女に声をかける。べったりと血糊をつけた斬馬刀を手に持ち、ゆっくりと歩きながら。
「下がって。俺がやるから」
感情を押し込める声は絞り出すように苦しそうだ。
ニニは零九一人に全てをさせるつもりは無く、零九の様子に腹を据え怯えて固まっている彼らに目を向ける。が、その瞬間に零九は三人に襲い掛かった。
「ぎゃああああああ!」
「が、がうう、ううああ!」
「ああ! ああああ!」
泣いて懇願する彼らに、零九は刀を振り下ろす。冷徹に、冷酷に、一片の優しさも容赦もなく。
