
温もり
第4章 母
彼女を起こさないようにそっとベッドから降り、彼女の背後から首に手を回す。反対側の手でその手を押さえ、零九はギュッと歯を食いしばる。
「あらら、殺しちゃうの?」
クスクス、と笑い声が聞こえた。
全身に纏わりつく、粘着質なラディの声に零九は腕に力を入れる事が出来なかった。ラディに見つかったのなら、ニニの首をどれだけ強く絞めても、それこそ、首の骨を折っても死なないだろう。そして、ニニも自分も彼女から逃れられない現実をたたきつけられる。
悟った零九はそろりとニニの首から手を離す。
彼女を殺す事を躊躇っている場合ではなかったのだと痛感せざるを得なかった。自分の我がままで悪戯に生かしていたのは間違いだったと、そう後悔する。
「ふふっ、賢い子ね」
床に座っている零九の背中に、ラディはトスンとのしかかる。無抵抗な彼の顎に手をそえ、グイッと引く。それにすら彼は抵抗せず、ニニのすぐ後ろでキスを要求されてもそれに黙って応えた。
「んふっ、本当に良い子ね」
抵抗するどころか、進んで受け入れているとすら言える態度にラディは満足げに言う。
「……ラディ、お願いがあるんだ」
零九は目の前にあるラディの金の瞳を見て言う。
「ニニを、解放して欲しい」
「あらら、殺しちゃうの?」
クスクス、と笑い声が聞こえた。
全身に纏わりつく、粘着質なラディの声に零九は腕に力を入れる事が出来なかった。ラディに見つかったのなら、ニニの首をどれだけ強く絞めても、それこそ、首の骨を折っても死なないだろう。そして、ニニも自分も彼女から逃れられない現実をたたきつけられる。
悟った零九はそろりとニニの首から手を離す。
彼女を殺す事を躊躇っている場合ではなかったのだと痛感せざるを得なかった。自分の我がままで悪戯に生かしていたのは間違いだったと、そう後悔する。
「ふふっ、賢い子ね」
床に座っている零九の背中に、ラディはトスンとのしかかる。無抵抗な彼の顎に手をそえ、グイッと引く。それにすら彼は抵抗せず、ニニのすぐ後ろでキスを要求されてもそれに黙って応えた。
「んふっ、本当に良い子ね」
抵抗するどころか、進んで受け入れているとすら言える態度にラディは満足げに言う。
「……ラディ、お願いがあるんだ」
零九は目の前にあるラディの金の瞳を見て言う。
「ニニを、解放して欲しい」
