テキストサイズ

私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~

第1章 恐怖体験の始まりは、さらし首から!?

 大きな番屋では、牢もあったりしたみたい。私と高志が見たのは、処刑された罪人の首。もちろん、本物ではなく、蝋人形だ。
 でも、これがけっこうリアルすぎるくらいリアル。カッと見開いた両目はいかにも無念そうだし、首からしたたり落ちている鮮血は、生々しすぎる!
 私は本能的っていうか、生理的にこういうのは苦手なの。よく医者とか看護士は偉いな~って尊敬しちゃうくらい、血を見るのが苦手なんだ。
 だから、できるだけリアルな生首からは目を背けて見ないようにして、高志のTシャツを引っ張る。
「ねえ、もう良いよ。十分見たから、次に行こう」
 でも、高志のヤツ、なかなか動かない。で、私が不審に思って高志を見てみたら、案の定、高志も真っ青になってる。
 だから、言わないこっちゃない。何が、俺がお前を守ってやるだ。この有様じゃ、守って貰えるどころか、私が失神した高志を抱えて逃げる羽目になりそうだよ。
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ