テキストサイズ

私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~

第1章 恐怖体験の始まりは、さらし首から!?

 高志ってば、もう眼がテンになりすぎて、顔がひきつってる。これは、このまま置いといたらヤバイ。
 私はそう思って、高志をひきずるようにして、さらし首たちにさようならをした。
 だって、高志にマジで倒れられたら、私が困るもの。高志は身長180は軽く超えてるんだよ。それに比べて、私は155㎝。野球部のエースで鳴らしている彼を背負うだなんて、できるはずがない。
 だからといって、こんな薄気味の悪いところに気絶してる高志を一人置いてきぼりにするほど、私は薄情じゃないしね。
 もっとも、本物のお化けが出たら、やむをえず一人で逃げるってことも―ありかも?
 まあ、できるだけ、そんなことにならないように祈るしかないし、まさか、それこそ江戸時代じゃあるまいし、この時代に幽霊なんているはずがない。
 ここはただの作り物の、お化けや屋敷、と、自分に言い聞かせて、私は高志と並んで再びあるき始めた。 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ