私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~
第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?
高志は半べそかきながら、涙目で訴える。
「よおく見てみなよ。あの幽霊、よくできてるけど、やっぱり蝋人形だよ」
「えー」
高志は眼をぱちぱちとせわしなくまたたかせ、私から怖々と幽霊へと視線を移す。
と、タイミングよくと言うべきか、高志には気の毒にも、幽霊がカッと眼を見開き、
「見たな~」
と不気味な声で叫ぶ。
高志はキレイな顔を思いっきり引きつらせた。
「あ、あ、あー」
もはや、恐怖はここに極まれりといった体で、喋ることもできないようだ。あわあわと、酸欠の金魚よろしく、口をぱくぱくさせている。
「仕掛けだよ、仕掛け」
私は自分でも意外なくらいに落ち着いた声で断じ、高志の手を引っ張る。
「とにかく、蝋人形にいつまでも構ってても意味ないでしょ。ここをやり過ごしたら、そろそろ出口も近いことだし、さっさと行きましょう」
しかし、高志は一向に動こうとしない。
「よおく見てみなよ。あの幽霊、よくできてるけど、やっぱり蝋人形だよ」
「えー」
高志は眼をぱちぱちとせわしなくまたたかせ、私から怖々と幽霊へと視線を移す。
と、タイミングよくと言うべきか、高志には気の毒にも、幽霊がカッと眼を見開き、
「見たな~」
と不気味な声で叫ぶ。
高志はキレイな顔を思いっきり引きつらせた。
「あ、あ、あー」
もはや、恐怖はここに極まれりといった体で、喋ることもできないようだ。あわあわと、酸欠の金魚よろしく、口をぱくぱくさせている。
「仕掛けだよ、仕掛け」
私は自分でも意外なくらいに落ち着いた声で断じ、高志の手を引っ張る。
「とにかく、蝋人形にいつまでも構ってても意味ないでしょ。ここをやり過ごしたら、そろそろ出口も近いことだし、さっさと行きましょう」
しかし、高志は一向に動こうとしない。