
私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~
第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?
出口を抜けてすぐのところに、スタッフらしい人が二人いた。遊園地の従業員は皆、鮮やかなブルーのTシャツを着ているので、すぐに判る。
私は長屋の傍で泣いていた美少女のことをスタッフに伝えた。
と、背の高い三十代くらいの男性スタッフが首をひねる。
「そんなコ、バイトにいたっけ?」
男の人に負けないくらい背の高い二十代くらいの女の人も怪訝そうな顔をしている。
「バイトにもウチの従業員にも、そんなコはいないはずだけど」
「でも、あたしたち、確かに見たんです」
念のために、私と高志の先導で、あの長屋の前まで引き返すことになった。
でも―。
あのコは本当にいなかった。
うらぶれた長屋の前には人っ子ひとりいなくて、薄ら寒い風がどこから吹いてくるのか、時折、しめった空気を運んでくるだけだ。
私は長屋の傍で泣いていた美少女のことをスタッフに伝えた。
と、背の高い三十代くらいの男性スタッフが首をひねる。
「そんなコ、バイトにいたっけ?」
男の人に負けないくらい背の高い二十代くらいの女の人も怪訝そうな顔をしている。
「バイトにもウチの従業員にも、そんなコはいないはずだけど」
「でも、あたしたち、確かに見たんです」
念のために、私と高志の先導で、あの長屋の前まで引き返すことになった。
でも―。
あのコは本当にいなかった。
うらぶれた長屋の前には人っ子ひとりいなくて、薄ら寒い風がどこから吹いてくるのか、時折、しめった空気を運んでくるだけだ。
