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私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~

第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?

 それから、きっかり一時間後、私たちはバス停から私の家までの道を歩いていた。
 どうも、あのスタッフから聞いた話がいまだに頭から離れず、バスに乗っている間もふたりともにろくすっぽ口をきかなかった。
 スタッフいわく―、あのお化け屋敷いや、あそこの遊園地が建てられる前、あの場所には病院があったという。更にその前は、お寺と墓地があったそうだ、
 そこの墓地には、江戸時代末期、江戸の町を襲った大火災で焼け死んだ多くの不幸な人々が葬られていたという。
―このお化け屋敷がオープンしたのは七月初旬ですが、今までこの一ヶ月で数人のお客がお化け屋敷内でーしかも、あの長屋の傍で例の美少女を目撃してるんです。
 しかも、そのとき、あの娘はいつも同じ恰好で泣いており、〝元いた場所に帰りたい〟と訴えるのだという。
 あまりに気味の悪いことが重なるので、スタッフはお坊さんに来てもらって、お経を上げて供養してもらったそうだ。
  

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