
私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~
第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?
そのときに来たお坊さんのお寺では、遊園地が建つ前、ここにあった今はもうない寺で祀っていた位牌の一部を預かっていることが判った。
―住職さんの話では、そこのお寺の本堂には、確かに廃寺で祀っていたお位牌が幾つかあるということでね、その中に商人の娘で、十三、四で火災に遭って亡くなったおつやという女の子の位牌があるそうだよ。
どうも、私たちが見たのは、そのおつやという女の子の霊ではないかーという話だった。
正直な話、スタッフの口から〝おつや〟という名前が出てきたときは、私もサーッと身体中に鳥肌が立っちゃったよ。
高志なんか、もう顔面蒼白で、今度こそ本当に失神するんじゃないかってくらいで、ぶるぶる震えてた。
本人が名乗ったんだから、間違いない。あの美少女幽霊は、亡くなたおつやちゃんだろう。
同じく住職さんの話によれば、この世に未練があって出てきたものの、元いた世界―あの世に戻れなくなって、泣いているのではということだった。
―江戸の町なんて墓地のあった場所に作るから、余計に未練があって出てきたんだって住職からも言われてねえ。
男性スタッフがため息混じりに言っていた。
まあ、それは確かに未練はあるだろう。
それにしても、あのコは可哀想な運命を辿ったんだなと改めて思った。
まだ13歳くらいで、突然、焔に巻かれて亡くなっただなんて。
私より四つも小さいのに。やりたかったこともたくさんあっただろうに。
この科学や文明が発達した時代に、幽霊なんてと馬鹿にする気持ちが実はなかったとはいえない。
でも、おつやちゃんの薄幸な生涯を知ると、浮かばれない彼女の心が霊という形をとってこの世に現れたとしても、何ら不思議はないのではないかと思えてくる。
―住職さんの話では、そこのお寺の本堂には、確かに廃寺で祀っていたお位牌が幾つかあるということでね、その中に商人の娘で、十三、四で火災に遭って亡くなったおつやという女の子の位牌があるそうだよ。
どうも、私たちが見たのは、そのおつやという女の子の霊ではないかーという話だった。
正直な話、スタッフの口から〝おつや〟という名前が出てきたときは、私もサーッと身体中に鳥肌が立っちゃったよ。
高志なんか、もう顔面蒼白で、今度こそ本当に失神するんじゃないかってくらいで、ぶるぶる震えてた。
本人が名乗ったんだから、間違いない。あの美少女幽霊は、亡くなたおつやちゃんだろう。
同じく住職さんの話によれば、この世に未練があって出てきたものの、元いた世界―あの世に戻れなくなって、泣いているのではということだった。
―江戸の町なんて墓地のあった場所に作るから、余計に未練があって出てきたんだって住職からも言われてねえ。
男性スタッフがため息混じりに言っていた。
まあ、それは確かに未練はあるだろう。
それにしても、あのコは可哀想な運命を辿ったんだなと改めて思った。
まだ13歳くらいで、突然、焔に巻かれて亡くなっただなんて。
私より四つも小さいのに。やりたかったこともたくさんあっただろうに。
この科学や文明が発達した時代に、幽霊なんてと馬鹿にする気持ちが実はなかったとはいえない。
でも、おつやちゃんの薄幸な生涯を知ると、浮かばれない彼女の心が霊という形をとってこの世に現れたとしても、何ら不思議はないのではないかと思えてくる。
