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私と高志の長い一日~とっておきのキスは恐怖の後で~

第3章 謎の江戸っ娘はいったい誰!?

高志とまともに眼が合い、私は柄にもなく頬がカーッと熱くなるのを自覚する。
 何で!?
 今まで、こんなシチュエーションなんて、それこそ数え切れないほどあっただろうのに、何で今更、高志と見つめ合っただで赤面しちゃうの? 
 しっかりしろ、私。
 と、自分で自分に突っ込みを入れた。
 私は慌てて高志の大きな手から自分のちゃっちゃな手を引き抜いた。
 それにしても、高志の手は大きいね。お化け屋敷の情けない姿からはおよそ想像もつかないけど、この逞しい手を見ていると、彼がやっぱり野球部のエースなんだなって改めて思う。
 今年の夏は甲子園行けなくて、残念だったね。ウチの高校は、県大会の決勝までいったのに、惜しくも最後の最後で負けちゃった。
 あのときは流石に高志も落ち込んでたっけ。私はその時、先約が友達とあったから、応援には行けなかったけど、応援に行ったコから聞いた話では、高志は負けが決まった瞬間、肩を落として泣いていたそうだ。
 当たり前だよね、高志は甲子園を目指して毎日、夜になるまでグラウンドで猛練習してたんだから。

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