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　はっきり言って、うざいよ、アイツ。私はアイツがメールをよこしても、適当に返事はするけど、深入りはしてないのに、こうやって時々は、映画に行かないかとか、野球の試合を見に来いだなんて、しつこいんだ。
　そんなもんだから、アイツのせいで、私は高志に惚れてる女子連中から始終、冷たい視線を浴びる羽目になる。
―戸津川君の趣味って、信じられないッ。
　女子は口をそろえて言うけど、信じられないのは私の方。私は別に高志の彼女でも何でもない！
　あいつが勝手に私の後を親猫にじゃれる子猫のように懐いてついてくるだけだっつうの。
　それに、アイツだって、私のことを好きでも何でもないと思うよ。ただ、たまたま同じ中学から自宅から遠い高校に行くことになって、その腐れ縁が今も続いてるてだけだから。
　妙な誤解もヤッカミも良い加減にして欲しいって思うね。
　それにしても、アイツはセンスがない。いくら幼なじみを誘うにしても、いちおう女子高生を誘うのに、お化け屋敷とは―。