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僕らの気持ち。

第3章 噂の二人組

「………で。入学式ってどこでやんの?」

キョロキョロと辺りを見渡す。


「さぁな………たぶん体育館だろう。確か校舎の中にあったと思うが…おい、椿。」

一ノ瀬が何か言ってたが、聞き終える前に俺は走り出した。
もちろん制服を着た女の子に向かって。


「あの!すいません。」

「……はい?」

俺と背丈が変わらない…いやむしろ俺より小さい女の子に話しかけその女の子が振り返る。



「あ、あの……体育館へ行くにはどこから行けばいいですか?」

女の子に話しかけるのがこんな緊張することだとは思わなかった。


「あぁ…体育館はそこの入口を入ってすぐの階段の三階ですよ……体育館に行くってことは新入生ですよね?」

「あっ、はい。」

ふいに女の子に訊かれてびっくりした。


「そっか…うちの生徒会ちょっと変わってるから気を付けてね。」

「せ、生徒会…ですか。」

一体…生徒会の何に気を付ければいいのやら…。


「あっ、ごめんね。そろそろ行かなくちゃ…またね、新入生。」

左手首につけている時計を見ながら女の子は言った。


「いえいえ。教えて頂きありがとうございます。」

軽く女の子に頭を下げながら言った。

「いえいえ。どういたしまして!」

そう言って女の子は走り出した。


数メートル離れた所で女の子がぴたっ、と止まり振り返った。

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