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僕らの気持ち。

第1章 side:幸村椿

「な、なんで…あいつが…」



詳しく話を訊こうと母にかけ直そうとしたとき…




ピンポーン…


玄関からチャイムが聞こえた。




「誰だよこんな時に…」

若干イライラしながらも玄関を開ける。



ガチャ…


「はい。どちら様……」


「椿、俺だ。」

低く野太い声。でも嫌悪感を感じない所謂イケボというやつ。



「いや誰だ。俺はしらん。」

そいつと顔を合わせたくなかったので俺は顔を下に向けた。


「一ノ瀬冬馬だ。忘れたわけじゃないだろう。」

と大きな手が俺の頬に触れた。




「その名は既に俺の記憶から抹消したんだよ……帰れ!!」

その手を振り払ってドアを閉めようとした。


「抹殺するな。おいっ、椿」

一ノ瀬がすかさずドアの間に足を挟んで閉められないようにした。

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