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ブルースカイ

第5章 美香

「もしもし。」



穏やかな声だった。



「俺やけど、ごめん、携帯忘れとった。」



「そうなんや。」



「気付いたら、フミも電池切れてたみたいやから、急いで帰ってきたわ。」



気付くと言い訳に終始している俺。他に言葉が出て来なかった。



「道理でつながらんと思ったわ。」



「で、どないしたん?」



「話したかっただけ。何となく声聞きたかったん。」



そのあと、美香は延々と昔話を始めた。



幼い頃の話から始まり、小中学校時代、女子高時代から孤立した原因、どうしてそれをやったか、それで周りからどういう扱いを受けたか、そして大学時代に俺と出会ってからの話。



何かを懐かしむかのような後悔しても変えられない過去についての話ばかり。

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