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ブルースカイ

第5章 美香

吐き気のくるような匂いはともかく、血が抜けて蒼白の美香、まるで眠っているかのようで、とても静かな光景だった。俺自身、開ける前に、パニックになるのではと想像していたよりは慌てていない。





ゆうちゃんも唖然とこの光景を眺めていた。





「ゆうちゃん、警察に電話や。美香、あかんみたいやから、せめて、早く風呂から出したろ。」





「あっ、そうやな、わかったわ。」





俺は昨日の美香との電話の内容を思い出していた。





過去の話ばかり、まるで未来との決別を宣言するかのよう。いつもに比べ、まるで何かを悟ったかのような落ち着き払った態度。





俺が電話した時は、もう覚悟を決めており、俺では状況を変える力はなかったのだろうか。

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