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ブルースカイ

第5章 美香

恐らく、電話を切るまではチャンスがあったはずだ。





まだ美香も諦めきれていなかったから、最後は俺にかけたのだろう。





いや、電話かけ直すんじゃなく、会いに行ってたら、こんな未来はなかったはずだ。





ごめん、美香。ずっと一緒にいるって約束守れんやったな。





俺は今更ながら涙が出てきた。そして、ゆうちゃんについて心配になり、美香に背を向けた。





「・・・ごめん。」





美香の声が微かに聞こえた気がした。





でも、気のせいだろう。ここには美香の遺体しかないのだから。





俺はリビングに行くと、ゆうちゃんがゆうちゃん宛の遺書を読んでいた。





「開けてもたんや。」





ゆうちゃんは顔を上げると、泣きながらうなずいた。

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