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ブルースカイ

第7章 景子

「何があって、現実が怖いんですか?」



俺は美香の事、ゆうちゃんの事、そして、何もできなかった無力な自分。その話を大袈裟に話した。それくらい酒がほしかった。



急に抱きしめられた。抱きしめられていると、なんとなくホッとした。



「辛かったのはわかる。でも、お酒はあかん。逃げても、いつかは立ち向かわなあかんのよ。」



胸が痛かった。わかっていた、所詮酒は一時しのぎにもならない事を。だが、指摘されると辛かった。



その後、俺は酒を飲みたくなると、景子に抱きしめられていた。頻度が頻繁であればあるほど、2人は錯覚に陥っていった。



入院3日目、昼は順調だった。だが、夜になると、例の症状が起こった。

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