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ブルースカイ

第8章 恵(上)

「フミ、お前もどうや?」





「ソウがやるなら、断る理由はありません。ただ、ソウが辞めたら、俺も辞めます。」






「わかった。開始日は聡に連絡するわ。ほなな。」





山さんの後ろ姿にはいつものインチキ臭さはなかった。どこか寂しげな1人の男だった。






「フミ、ごめんな。」





「何言いよんねん、ほんまの気持ちやし、俺としてはソウの役に立てて、嬉しくもあんで。」





俺は涙がこぼれそうだった。誤魔化すためにも、俺はタバコをくわえ、火を点けた。





「フミ、出会いはあんなやったけど、出会えてよかったわ。出会ってくれてありがとう。」






「ソウて、どんなクサい事でも、真顔で言えるん、すごいわ。でも、俺もソウが俺と、出会ってくれてありがとうやわ。」

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