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ブルースカイ

第8章 恵(上)

「フミッ、バカ、お前ッ!」



「しっ。気付かれんで。」



気付かれたら同罪やんな、やっぱ。あかん、完全にフミのペースに乗せられた。仕方なく俺は、ゴムをポケットに突っ込んだ。



「使えいう事やなくて、もしものためや。なんかあったら嫌やろ。」



美香の事を言いたいんやな。俺の子供を宿していた美香。気付かないまま、俺の前から消えていった。



もしわかっていたら・・・。



言うてもしゃーないか。この場合、もしはないんやから・・・。



でも、俺、何で『俺の女に手を出すな』とか言うたんやろ。恵とは友達・・・、いや、多分、友達以上恋人未満か。俺、恵の事、好きなんかな?よくわからん。嫌いじゃないんは確かやけど。

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