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ブルースカイ

第8章 恵(上)

「ねぇ、聡。ここで休んで行こうや。」



俺は恵の言葉、態度で、今俺らがラブホ街にいる事。そして、どうしてこうなったかに気付いた。



恵は顔を真っ赤にしてうつむいていた。なるほど、さっきのは時間を稼いでたんや。恵は俺との既成事実がほしいんやな。そのための精一杯のアピール。



俺が恵を好きなら、こんな顔を真っ赤にして言うてくれたんやから、恥かかせる訳にはいかんし、応えたらなあかん。



他の誰かと付き合ってもかまへんなら、一緒に入って寝てまうとか、それなりの対応せなやわ。



まさか、今日の今日でいきなり決断せなとは、思わんかった。



どうする、俺。タイムリミットまで数秒。まさに今決断が求められてるんや。



俺は静かに口を開いた。

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