テキストサイズ

ブルースカイ

第11章 昌孝

「ああ、あの合宿な。嫌なもん思い出したわ。俺は最悪やったしな。」









「兄貴、なんかあったんですか?」









「タバコは吸われんし、女の先輩にへつらわなやし、酒が入って、あちこち触られるわ、触らされるわ。おまけに橋本聖子やで、酒瓶で。」









「過酷ですやん。」









「やろ?ウザくて酔ったふりしたら、膝枕されたんやけど、女の先輩ども、30分置きに様子見に来て、枕役争奪戦やし。途中でほんま寝てたら、皆おらんくなっててん。」









「それでどないなったんすか?」









「あとは知らん顔して電話で話したり、携帯用灰皿あったから、外でタバコ吸うたり、夜が明けるのを待ったわ。」









「なんもせん夜は長いですわな。」









「やな。朝、皆起きてきて、女は軽蔑したような目で見てて、男は妙に優しいねん。」










「へぇー。なんでですか?」









「不思議そうな顔してると『鏡見てこい』言われてん。」









「鏡にはなに映ったんすか?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ