テキストサイズ

ブルースカイ

第12章 コウ

しかし、麻理てほんま無防備やな。









あかん、なんかドキドキしてきたわ。まずは離れな。









「とりあえず泣き止み。なっ?」









麻理はうなずきながら、まだ鼻をぐすぐす鳴らしていた。









なんか俺、うろたえてる。涙ってズルいわ。









あかんあかん、なんか口実作って離れよ。









ハンカチを出そうと、麻理の背中をさすっていた左手でポケットを探す。









「んっ。こんなとこじゃ、恥ずかしいわ。」









「えっ?何がやねん。」









麻理は顔を赤くして、抱き付いていた手を離した。









俺は自分の手元を見ると、俺の左手は麻理の右足の太ももと、俺の左足の太ももの間にはさまれていた。









俺も顔が赤くなるのを感じて、急いで手を引き抜く。横に座ったまま俺に抱きついてんねんから、よく考えたらそうなるわな。









「ごめん、そういうつもりやなかってん。ハンカチ出そう思ってんや。」









麻理は泣いた名残か、真っ赤な顔で、うるうるした目を俺に向けていた。









そんな色っぽい顔、向けられたら・・・。









あかん、変に意識してもた。









俺が反応できずにいると、麻理が目をつぶった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ