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ブルースカイ

第12章 コウ

「それやったら、思い出の共有があるフミの方がええんちゃうの?」









「逆や。過去の共有があるから、触れたらあかん話も多いねん。お互い仮面かぶって探り合わなやし。」









「わからへんわ。俺にはフミとかコウの生き様がわからへんし。」









コウは笑った。









「わからんからええねん。わかったら、お互いの立ち位置の違いで、見えたもんちゃうやん。」









「ええ加減立ち話も疲れたな。養老?それとも他行く?」









「養老でええやん。野郎二人やし。」









駅近くの居酒屋に入る。









席に座るとコウに聞いた。









「生でええの?」









「生で。聡は?」









「梅酒ロックで。」









「相変わらずビールあかんねんな。」









コウは苦笑すると、店員さんを呼び、注文した。









俺がタバコに火をつけると、コウもタバコに火をつけた。









お互い無言でタバコを吸う。

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