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ブルースカイ

第12章 コウ

はずだった。









現実は深い眠りに落ちる寸前で鳴った電話を受けている。









相手はフミだった。









「化学療法と手術が治療方らしいわ。他は特に収穫なしやわ。」









「まぁ、それわかっただけでもええやん。」









「せやな。ところで、山さんから電話あったで。」









「どうせろくな用事ちゃうやろ。」









俺はタバコに火をつける。









「いつも通りや。助っ人で1ヵ月バイトしてほしいねんて。休み日曜で、給料弾むて言うてた。」









「フミ、どう思う?」









「おもろそうやわ。1ヶ月くらいならええんちゃう?」









「フミがそう言うんやったらええけど、何のバイトなん?」









フミが笑った。









「聞いて驚き。」









「それ言うなら、聞いて驚きなやろ。」









俺は苦笑してタバコの火を消した。









「細かいことはええやん、夜の仕事やってさ。」









「あんまり気は進まんわ、俺には向かんやろ。」









「大丈夫やって。俺とソウは二人で一人前やろ。」









この後も押し問答が続き、結局、フミに押し切られ、やることになった。

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