テキストサイズ

ブルースカイ

第14章 明美

授業が終盤になってきたが、フミは相変わらず歌詞とにらめっこしていた。



無反応やわ、やっぱダメなんかな



授業が終わるとフミが言った。



「次の授業まで借りとくわ」



「そこまで引っ張らんでもええやん感想くらい聞かせや」



「うーん、まだピンとけーへんねん多分、一部言い回し直したがええんもあるしやから、もうちょい見してや」



正直、意外な反応だった。あっさりやり直しを想定していただけに、予想外の言葉だった。



「絶対やり直しやと思ってたわ」



「いや、この歌詞、ソウしか書かれへんわ経験上の詩やからな」



正直、美香の死語の想いだっただけに、フミとゆうちゃん以外、誰も踏み込めない領域だった。



「大概踏み込んでくんねんな」



「俺以外、核心つかれへんやろあん時の荒れたソウ、一番側で見とるからなそれにこの前のより整っとるし」



美香が愛しさから苦しみに変わったあの日、美香を忘れきれず、アルコールと景子に依存していたあの頃。ある意味で、タバコに依存しているが、当時ほどの依存はない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ