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ブルースカイ

第14章 明美

発作が起きない時は、あの頃と向き合える程度には、落ち着いていた。



美香がいなくなって10年たった今も発作が起きることはあるが、ここ数年は当時のように無気力になったり、激しい不安にさいなまれたり、何も手につかない状況はなくなった。



今はストレスさえコントロールできていれば、苦しみは辛い過去の思い出に変わっている。



だが、当時は美香を失って半年、まだまだ頻繁に発作が起こり、不安定になりがちな俺は周りに助けられていないと、今こうして過去を振り返る気にすらならなかっただろうし、生きてすらなかったかもしれない。



一番側で助けてくれたのは、やはりフミだったし、コウや、明美だった。マサの持ってくるトラブルも、気晴らしという意味では助けられていた。

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