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ブルースカイ

第14章 明美

「うちも今起きたん起きたらメール来とったから、すぐ電話したん」



「助かったわほな、明日な」



時計を見ると6時。勢いでああ言うたけど、大分早いな久々に散歩でもしよ。



まだ日の出前の薄暗い街を歩く。



行く宛なんかなく、ただ彷徨うように歩く。



だいぶサボってたから、久々に歩く街並みは昼間とは違ったものに見える。



神戸市を抜け、芦屋にかかる辺りで朝日が差し始める。



さすがに通勤らしい駅に向かう人以外、誰もいない街。



11月になり、朝晩は冷え込み始め、そろそろマフラーの必要性を感じる。



吐く息は朝日に照らされ、キラキラと輝いていた。



そっとポケットからタバコを出すと火を着ける。



西宮まで来たので、そろそろ戻ろうかな。来た道を戻るのも芸がないので、海側の阪神沿いから、少し山側のJR沿いへと向かう。



大阪から神戸の三ノ宮まで、海側から阪神、JR、阪急と3つの路線があり、普段は阪急か、JRしか使うことはない。阪神戦を見に、甲子園球場に行く時くらいしか阪神を使うことはなかった。

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