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ブルースカイ

第5章 美香

「ん?言われてみれば、そうやんな。」





フミは携帯を取り出すと、





「あかん、電池切れてるわ。ソウ、携帯貸してや?」





「あかんねん、今日、忘れて・・・。」





しまった。不安定になりやすい美香の事や、2人につながらんと、また別れ話が再燃する。俺はその程度に考えていた。





「あかん、フミ、俺、帰るわ。代わりに今日はおごるわ。」





「急にどないしたん?」





「携帯通じんと、美香が不安定になるから、念のため帰るわ。」





「そっか。わかった。そういう理由なら、止められんし、俺も酒入って眠なったから、一緒帰ろうや。」





普段こそアホだが、フミとは最高の友人であり、互いに最良の理解者で、協力者でもあった。他の人に頼めない事でも、お互いに喜んで引き受けた。そういう感じで、フミとは大学時代の苦楽をほとんど共にした。

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