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狼飼ってます!

第2章 狼人間

すると突然、浴室のどこからか男の人の声が聞こえてきた。

男の人と言っても、私と同じ高校生くらいの低い感じの声。中性的とも言える。

「…フェンリル」

「へ…?」

うちには小窓が浴室にないので、外の声は聞こえない。

浴室のドアを見ても誰もいない。

「バーカ、こっちだよ。」

ポンッ!

可愛い音と同時に、私の手元から煙が上がっている。

何が起きたか分からず、呆然としている私の目の前に、ひょこっと人が顔を出した。

ただ、その人は頭に耳を生やしていたのだ。

煙が徐々に薄れてゆき、姿が露になる。

眠そうな半開きの目をこちらに向けて、足は跪くような形で…って…

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