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もしも僕がね、

第3章 遺伝

【1ヵ月後】









母さん…もう少しだけ、時間を下さい。



アルバムにある一枚の写真。
そこに写る淡い髪色の細身の女性、場所は病室。
カメラに向かって笑顔で、しかもピースしている。



ちなみに……俺の母親。



俺の母親は拡張型心筋症で死んだ。


いわゆる心臓病ってやつ。






分かりやすく説明すると…

心臓の一部分は全身に血を巡らせる為のポンプの役割をしているんだが、俺のも母さんのもうまく機能しなかった。


それは俺が物心つく頃から知っていたし、今更どうしようもないということは分かっている。





それでもまだ……俺は母さんの所にはいけません。

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