壊れる程に愛してる。
第3章 日常
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「ねぇショウ、私がシャワーあがったら宿題教えて?」
私は夕飯の食器を片付けながら、シャワーを浴び終え肩にタオルを掛けたまま冷蔵庫から取り出したスポーツドリンクのペットボトルを飲んでいる彼にいつものように問う。
汗なのかまだ髪が濡れているせいなのか、頬から首筋にかけていくつも水滴が流れてTシャツの襟元に染み込んでいる。
「ん?いいよ。数学?」
「うん。もう微分積分やってるんだけど、全然わからなくて」
彼は髪をタオルでワシワシと乱暴に拭きながら、俺らのとこはもう数Ⅱ終わったよ、と笑った。
「やっぱそっちの方が進むの早いね」
「俺、理系だしな。文系のルナの方が遅くて当然だろ?」
私はそうだね、と答えてから手の水をきり、寝室から着替えの下着を持ち脱衣所へ向かった。
貯まった洗濯物といま脱いだ下着を洗濯機へ突っ込み、洗剤と柔軟剤と共に回す。
そして、狭い風呂場で1日分の汗を洗い流した。