テキストサイズ

二度目の初恋

第3章 *バレンタインと告白*

机の荷物を見る。


「あ」

鞄ねぇし。


仕方ない。
近道していくか。


自分も鞄をもって廊下に出る。


そして、下駄箱とは逆方向に歩く。


多分、この近道は誰も知らない。


廊下を真っ直ぐ行くと壁に突き当たる。

左には階段があるが、その途中にあるドアを開けると非常階段がある。


それを降りれば、普通に下駄箱に向かうより遥かに早く着く。


下駄箱に着き、久賀の靴を見るとまだ帰っていないみたいだった。


早すぎたか。
逆戻りしよう。



「あ、陽翔に一緒に帰れないって言ってねぇや」


連絡しようと携帯を開くとメールが来ていた。


――――――――――――――
from :陽翔
本文 :今日は彼女と帰るから一緒に帰れない

――――――――――――――


タイミングいいな~。


でも、バレンタインに彼女と過ごさないヤツなんていないよな。



こっちの手間も省けたし。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ