希望の欠片もない大切な人。
第4章 初
「んんっ」
したことのないキスにルーリは戸惑い、息苦しくなって公麻の胸を叩く。
「────はぁっ!」
「ルーリ、鼻で息しなきゃ」
「だって、お父様が、こんなキス、初めてだから」
そう言うルーリを公麻がぎゅうっと抱きしめる。
「そうだよな、お前は男慣れ、してないもんな」
コクッとうなずくルーリ。
「じゃあ、男とセックスしたことないよな?」
そっと首を横に振るルーリ。
それを見て、公麻は、ショックを受けた。
「────なんだよ、俺が初めてかと思ったのに。」