
激愛~たとえ実らない恋だとしても~
第11章 第三話〝花笑み~はなえみ~〟・其の参
美空はそっと眼を閉じ、従容として死を受け入れようとした。だが、その潔さがかえって孝俊の嗜虐心を煽ることになるとは、美空は考えさえしなかった。
「何故、そのように悟りきった眼で俺を見るのだ。何ゆえ、泣かぬ。泣き叫んで、許しを乞い、生命だけは取るなと縋ってはこぬ。それとも、そなたは俺に抱かれるよりは、生命奪われた方がマシだと申すか!」
甘んじて死を受け入れようとした美空の態度は、孝俊の嫉妬と憤りをよりいっそう烈しくかきたてた。
孝俊の狂気に染まった瞳の奥で、嫉妬の焔(ほむら)が燃えている。
夜は不気味な沈黙を孕んで、静かに更けていった。
「何故、そのように悟りきった眼で俺を見るのだ。何ゆえ、泣かぬ。泣き叫んで、許しを乞い、生命だけは取るなと縋ってはこぬ。それとも、そなたは俺に抱かれるよりは、生命奪われた方がマシだと申すか!」
甘んじて死を受け入れようとした美空の態度は、孝俊の嫉妬と憤りをよりいっそう烈しくかきたてた。
孝俊の狂気に染まった瞳の奥で、嫉妬の焔(ほむら)が燃えている。
夜は不気味な沈黙を孕んで、静かに更けていった。
