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激愛~たとえ実らない恋だとしても~

第14章 第四話・其の参

 廊下の軒先につり下げられた雪洞の灯りが雨の名残を含んだ夜気に少し滲んだ。

 その時、一陣の風が吹き渡った。
 桜が、散る。
 花びらが、舞う。
 狂ったように舞い踊る。

 美空は呼吸さえ忘れたかのようにその場に立ち尽くして、狂ったように舞い踊る花びらたちを見つめた。

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