
異種間恋愛
第12章 獣の正体と契り
本の中の絵には黄金の獣と小さな少女が描かれていた。物語の最後の絵は少女と王子様が森の中で結婚式を挙げているものだった。
「ライオンさん、こわいの?」
私はママの黒い瞳を見つめた。
「ママはライオンを見たことがないわ。でも、このライオンさんは優しいのよ。それでも恐い?」
ママは私の頬を指で撫でる。
「ううん。じゃあ、こわくないっ」
「リアは良い子ね」
ママはそう言って私のおでこに唇をあてた。
「おーい。ご飯できたぞ。ふたりともこっちへおいで」
すると、大きな温かい声が響いてママはとても嬉しそうに笑った。
「パパお手製の晩ごはんよ。行きましょ」
「パパっ」
大好きなパパとママ。私の小さな身体は幸せで満たされていた……。
「ん……」
だるい身体を起こす。辺りは朝日で輝いていた。
それでも私は絶望した。
あれが夢だったなんて……ふたりはもうとっくの昔に亡くなってしまっている現実を受け入れるのはショックだった。
でも、私の心は満たされている。
レオが見当たらない。
確か、昨日はレオと……口を重ねた。
「レオっ!!」
私は昨日と同じ場所で寝ているのに、レオの姿がない。
ジャスミンが驚くほどぴょんぴょん飛び跳ねてなにか伝えようとしている。
「なに?」
ジャスミンは急に走り出した。私も急いでそれに続く。
ジャスミンが向かった先には広い花畑があった。一面に色とりどりの花が咲いている。
「綺麗……」
これを見せたくて走ってきたのかと思ったが、次の瞬間身体がびくっと跳ねた。
人が花畑の中心で仰向けになっている。
美しい花畑にぽつりとひとりの動かない人間が仰向けに寝ている様子は異様だった。
「ライオンさん、こわいの?」
私はママの黒い瞳を見つめた。
「ママはライオンを見たことがないわ。でも、このライオンさんは優しいのよ。それでも恐い?」
ママは私の頬を指で撫でる。
「ううん。じゃあ、こわくないっ」
「リアは良い子ね」
ママはそう言って私のおでこに唇をあてた。
「おーい。ご飯できたぞ。ふたりともこっちへおいで」
すると、大きな温かい声が響いてママはとても嬉しそうに笑った。
「パパお手製の晩ごはんよ。行きましょ」
「パパっ」
大好きなパパとママ。私の小さな身体は幸せで満たされていた……。
「ん……」
だるい身体を起こす。辺りは朝日で輝いていた。
それでも私は絶望した。
あれが夢だったなんて……ふたりはもうとっくの昔に亡くなってしまっている現実を受け入れるのはショックだった。
でも、私の心は満たされている。
レオが見当たらない。
確か、昨日はレオと……口を重ねた。
「レオっ!!」
私は昨日と同じ場所で寝ているのに、レオの姿がない。
ジャスミンが驚くほどぴょんぴょん飛び跳ねてなにか伝えようとしている。
「なに?」
ジャスミンは急に走り出した。私も急いでそれに続く。
ジャスミンが向かった先には広い花畑があった。一面に色とりどりの花が咲いている。
「綺麗……」
これを見せたくて走ってきたのかと思ったが、次の瞬間身体がびくっと跳ねた。
人が花畑の中心で仰向けになっている。
美しい花畑にぽつりとひとりの動かない人間が仰向けに寝ている様子は異様だった。
