
異種間恋愛
第12章 獣の正体と契り
頭を打ったらこんなことになるのか……。
昨日、レオに助けてもらっていなかったら私がこんな風になっていたかもしれな――
「レオっ!」
「なんだ」
突然叫んだ私に驚いたように瞬きを数回する青年。
「私、大切な人を捜さなきゃ。あなた、家はラーナですか? ひとりで帰れます?」
「おい……」
「ここを抜けて真っすぐ行けばラーナへ行けますから。私、急いでるんで……わっ」
立ち上がろうとすると青年が腕を伸ばし、私の身体を抱え込むように抱きしめた。
私は咄嗟に両手で彼を押し返した。それでもびくともしない彼のしっかりした胸板。
「やめてっ!!」
「……リア?」
え? どうして私の名前を知ってるの……。
「落ち着け。本当にどうしたんだ」
彼は私の手をとって、自分の手を重ねた。と、その時彼の動きがぴたりと止まった。
私と彼自身の手をじっと見ている。
「あの?」
「おい、俺が何に見える?」
「は?男性ですけど……」
「人間か?」
「え? もちろん。人間にしか見えませんよ」
そこまで言いきらないうちに彼は私の身体を思いっきり力を込めて抱きしめた。
大きな身体に圧迫された私の肺が悲鳴を上げる。
「俺だ、リア……」
私の顔を見つめる美青年……。
「うそ……」
「嘘じゃない」
「レ、オ?」
目の前の小麦色の頬をさすってみる。くすぐったそうに彼が目を細めた。
「ああ、お前がつけてくれた名前だったな」
「レオっ!!」
今度は私が力一杯にレオを抱きしめる番だった。
「よかった……わ、私……」
「何も言うな。人の姿に戻れたんだ、これで……言える」
「なに?」
レオの薄い唇が動く。
「愛してる」
森の中の空気が一瞬止まった気がした。
こんな魔法のような言葉があったなんて……。
「嬉しい……。レオ、私も愛してます」
こんな言葉を口にしたのは初めてでなんだか言った傍から喉がかゆくなった。でも、幸せで満たされた。
昨日、レオに助けてもらっていなかったら私がこんな風になっていたかもしれな――
「レオっ!」
「なんだ」
突然叫んだ私に驚いたように瞬きを数回する青年。
「私、大切な人を捜さなきゃ。あなた、家はラーナですか? ひとりで帰れます?」
「おい……」
「ここを抜けて真っすぐ行けばラーナへ行けますから。私、急いでるんで……わっ」
立ち上がろうとすると青年が腕を伸ばし、私の身体を抱え込むように抱きしめた。
私は咄嗟に両手で彼を押し返した。それでもびくともしない彼のしっかりした胸板。
「やめてっ!!」
「……リア?」
え? どうして私の名前を知ってるの……。
「落ち着け。本当にどうしたんだ」
彼は私の手をとって、自分の手を重ねた。と、その時彼の動きがぴたりと止まった。
私と彼自身の手をじっと見ている。
「あの?」
「おい、俺が何に見える?」
「は?男性ですけど……」
「人間か?」
「え? もちろん。人間にしか見えませんよ」
そこまで言いきらないうちに彼は私の身体を思いっきり力を込めて抱きしめた。
大きな身体に圧迫された私の肺が悲鳴を上げる。
「俺だ、リア……」
私の顔を見つめる美青年……。
「うそ……」
「嘘じゃない」
「レ、オ?」
目の前の小麦色の頬をさすってみる。くすぐったそうに彼が目を細めた。
「ああ、お前がつけてくれた名前だったな」
「レオっ!!」
今度は私が力一杯にレオを抱きしめる番だった。
「よかった……わ、私……」
「何も言うな。人の姿に戻れたんだ、これで……言える」
「なに?」
レオの薄い唇が動く。
「愛してる」
森の中の空気が一瞬止まった気がした。
こんな魔法のような言葉があったなんて……。
「嬉しい……。レオ、私も愛してます」
こんな言葉を口にしたのは初めてでなんだか言った傍から喉がかゆくなった。でも、幸せで満たされた。
