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異種間恋愛

第2章 出会い

「ふう……。ストラっ!?血がこんなに出てるっ、どうしたら……」
 一瞬安心をしたもののこのまま放っておけばストラスは確実に死んでしまうことは容易に分かった。
 しかし、どうすればいいのか全く分からずただだんだん冷たくなっていくストラスの頭を私の膝にのせ、青白い頬をさする。
「ストラ……。いま運んであげるから待っててねっ」
 私はスカートの裾を破ってストラスの首の傷口を覆うように巻いてから、彼を負ぶさるように運ぼうと試みた。
 細いストラスならどうにか運べるかもしれないと考えたが、182センチの長身ともなれば体重もそこそこあるようで一歩も前に進むことができない。
 本当にどうしようかと途方に暮れ、また自然と涙が溢れ出した。
「女は泣くから嫌いなんだ。どけ」
「え?」
 天から聞えたようなそのふてぶてしい声に顔を上げるとさっきの大きな獣が戻ってきていた。
「はやく、どけ」
「嫌よっ!ストラスは殺させないっ」
 私が真っ青になって叫ぶと嘲笑うように鼻を鳴らした。
「このまま放っておくとどうなるか分からないのか?お前ではなにもできない。俺の背中にそいつを乗せるくらいはできるだろう、はやくしろ森を本格的に穢す気か?」

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