
異種間恋愛
第15章 暴かれた婚姻
レオが立ち上がると膝をかかえて座っていた私を持ち上げるように引っ張って立たせた。
「さっきから気になっていたんですけれど、あなた、どなたですの?」
あきらかに棘のある言い方。それでも声は優しく可憐なままだ。
「私はリアといいます」
私はキアナさんを振り返ってそう言う。こんなところで怯んでいては民を救うことなんてできない。
私はもうストラスに守られて泣くだけの存在ではない。
「名前なんて聞いてませんわ。どういう立場でレオン様の隣りにいるんですの?」
「口のきき方には気をつけろ。リアは王族だ」
レオがぴしゃりと言い放つとあたりがしんと静まり返った。
「もうよい。お前らは下がれ」
ラドゥがいつもの不機嫌な顔で冷たく言い放つと女たちはがっくりと目に見えるように肩を落として出て行った。
最後に出て行ったキアナさんは湿った視線で私を睨みつけてからレオとラドゥに人形のような笑顔を一回ずつ向けて去って行った。
どうして睨まれたのかよくわからない私は去っていく背中を見つめ続けていた。
「女は煩いからすぐ飽きるんだ。ティオン、もう一回戦するぞ」
ラドゥは気怠そうに首を回した。自分で女たちを呼んでおいたくせにこの態度はどういうことなんだ。
まさか、あの一瞬で飽きたとでもいうのだろうか。
「リア、暇じゃないか?」
レオが気遣うように私の目を見つめる。
「ううん。フェンシング気に入っちゃったの」
本当にあの光る剣としなやかな体、研ぎ澄まされた精神が交差する競技に私は魅了されていた。
レオは黙って私の頭を軽く撫でた。
「ラドゥ様、よろしいでしょうか」
その時、キアナさんたちが出て行った扉からリュカが顔を出した。
「後にしろ」
ラドゥは無意識にそんな返事を返しているのではないかと思うほどリュカの言葉を気にかける様子もなく再び鎧を身に着けようとしている。
レオはリュカの方をじっと見ていた。
「ラドゥ様、それが……」
何か重要なことなのか珍しくリュカが食い下がる。
「久しくお目にかかりますご無礼をお許しください、アスリアス王国第一王子様」
「っ……!!」
リュカの後ろから出てきたその人物に私は声にならない声を上げた。
「さっきから気になっていたんですけれど、あなた、どなたですの?」
あきらかに棘のある言い方。それでも声は優しく可憐なままだ。
「私はリアといいます」
私はキアナさんを振り返ってそう言う。こんなところで怯んでいては民を救うことなんてできない。
私はもうストラスに守られて泣くだけの存在ではない。
「名前なんて聞いてませんわ。どういう立場でレオン様の隣りにいるんですの?」
「口のきき方には気をつけろ。リアは王族だ」
レオがぴしゃりと言い放つとあたりがしんと静まり返った。
「もうよい。お前らは下がれ」
ラドゥがいつもの不機嫌な顔で冷たく言い放つと女たちはがっくりと目に見えるように肩を落として出て行った。
最後に出て行ったキアナさんは湿った視線で私を睨みつけてからレオとラドゥに人形のような笑顔を一回ずつ向けて去って行った。
どうして睨まれたのかよくわからない私は去っていく背中を見つめ続けていた。
「女は煩いからすぐ飽きるんだ。ティオン、もう一回戦するぞ」
ラドゥは気怠そうに首を回した。自分で女たちを呼んでおいたくせにこの態度はどういうことなんだ。
まさか、あの一瞬で飽きたとでもいうのだろうか。
「リア、暇じゃないか?」
レオが気遣うように私の目を見つめる。
「ううん。フェンシング気に入っちゃったの」
本当にあの光る剣としなやかな体、研ぎ澄まされた精神が交差する競技に私は魅了されていた。
レオは黙って私の頭を軽く撫でた。
「ラドゥ様、よろしいでしょうか」
その時、キアナさんたちが出て行った扉からリュカが顔を出した。
「後にしろ」
ラドゥは無意識にそんな返事を返しているのではないかと思うほどリュカの言葉を気にかける様子もなく再び鎧を身に着けようとしている。
レオはリュカの方をじっと見ていた。
「ラドゥ様、それが……」
何か重要なことなのか珍しくリュカが食い下がる。
「久しくお目にかかりますご無礼をお許しください、アスリアス王国第一王子様」
「っ……!!」
リュカの後ろから出てきたその人物に私は声にならない声を上げた。
