
異種間恋愛
第15章 暴かれた婚姻
「伝説っていっても一部の王族にしか知られていないものなんだけれど。グラド様が悪魔と契約して兄を陥れたと囁かれているんだ。でも、まさか本当に……もしかしてレオン様は獣の姿だったの?」
「え、ええ。そんなことまで伝説に?」
レオがライオンの姿になって生きていることが伝説としてでも知られていたなんて。私はどうして何も知らなかったのだろうか。
「ああ、でも皆伝説は嘘だと考えているよ。僕もそうだったけれどね。今からこの国で何が起きるのか分からなくなってきた……。リア、逃げよう」
唐突にその言葉を言われた私は瞬きを数回繰り返してストラスを見つめた。
「リアは国の争いに巻き込まれてほしくない。国を出よう」
そう言いながら、ベッドから抜け出そうとするストラスを急いで押し戻す。
「ストラ、私は王族よ。民のために生きるの。ここでの民の様子を見たわ。皆すごく素敵な笑顔だったけれど、すごく悲しいものを背負ってる。それも王国のせいで。私は民を救いたい」
ストラスの動きが止まった。
「今まで、私は自分が王族だったことに何の意味も見つけられなかった。生きている目的が分からなかったの。でも、今は違う。こんな私でも誰かのためにできることがあるはずよ」
訴えかけるように、分かってもらえるように精一杯心の叫びを口に出した。
「ごめん。リア」
「え?」
ストラスが顔をあげると、私に傍にくるように促した。私が素直に従うと、あっという間にベッドですっぽりとストラスの腕の中に包まれてしまった。
「僕はリアに汚いものを見せたくなかったんだ。だから、リアには王国でなにが起きているかも民が苦しんでいるかも伝えなかった。それどころかそういった情報がリアの耳にはいらないように手を回していたんだ。そうすることでリアを傷つけずに済むなんて考えていた。でも、それは僕の我儘だ。リアをずっと僕の手元に置いておきたいから。リアをずっと無垢で可憐な少女のままにしておきたかった僕の我儘だ。ごめん」
「ストラ……。いいの。ストラの気持ちはすごく嬉しいもの」
「それから、もうひとつ謝らないといけないことがあるんだ」
ストラスが腕を緩めた。灰色の瞳に見下ろされる。
ストラスが何のことを言おうとしているのかわかる気がする。
「私たちが結婚してるってこと?」
ストラスは息を止めた。それから、ゆっくり頷いた。
「え、ええ。そんなことまで伝説に?」
レオがライオンの姿になって生きていることが伝説としてでも知られていたなんて。私はどうして何も知らなかったのだろうか。
「ああ、でも皆伝説は嘘だと考えているよ。僕もそうだったけれどね。今からこの国で何が起きるのか分からなくなってきた……。リア、逃げよう」
唐突にその言葉を言われた私は瞬きを数回繰り返してストラスを見つめた。
「リアは国の争いに巻き込まれてほしくない。国を出よう」
そう言いながら、ベッドから抜け出そうとするストラスを急いで押し戻す。
「ストラ、私は王族よ。民のために生きるの。ここでの民の様子を見たわ。皆すごく素敵な笑顔だったけれど、すごく悲しいものを背負ってる。それも王国のせいで。私は民を救いたい」
ストラスの動きが止まった。
「今まで、私は自分が王族だったことに何の意味も見つけられなかった。生きている目的が分からなかったの。でも、今は違う。こんな私でも誰かのためにできることがあるはずよ」
訴えかけるように、分かってもらえるように精一杯心の叫びを口に出した。
「ごめん。リア」
「え?」
ストラスが顔をあげると、私に傍にくるように促した。私が素直に従うと、あっという間にベッドですっぽりとストラスの腕の中に包まれてしまった。
「僕はリアに汚いものを見せたくなかったんだ。だから、リアには王国でなにが起きているかも民が苦しんでいるかも伝えなかった。それどころかそういった情報がリアの耳にはいらないように手を回していたんだ。そうすることでリアを傷つけずに済むなんて考えていた。でも、それは僕の我儘だ。リアをずっと僕の手元に置いておきたいから。リアをずっと無垢で可憐な少女のままにしておきたかった僕の我儘だ。ごめん」
「ストラ……。いいの。ストラの気持ちはすごく嬉しいもの」
「それから、もうひとつ謝らないといけないことがあるんだ」
ストラスが腕を緩めた。灰色の瞳に見下ろされる。
ストラスが何のことを言おうとしているのかわかる気がする。
「私たちが結婚してるってこと?」
ストラスは息を止めた。それから、ゆっくり頷いた。
