
異種間恋愛
第15章 暴かれた婚姻
私がもう一度口を開こうとした時、扉のほうから床となにかが擦れる音が聞こえてきた。それで初めて開かれた扉の前でレオが立っているのに気が付いた。
「……け、っこん」
レオの口から小さく反復されたその言葉に私の心臓は機能を放棄しようとした。
「レオっ」
私の短い悲鳴とともに呼ばれた本人は逃げるように早足で去っていった。私が彼を急いで追いかけようとするとストラスの細い腕が私を掴んだ。
咄嗟に力ずくで振り払おうとしたが手に込められた力が余計に強くなっただけだった。
「離して!」
「嫌だよ、リア」
縋るようなその声は泣いていた。私の身体から力が抜ける。
「ストラ、私……」
「夫婦」
レオが好きなの。そう言いかけた私の言葉を遮るストラスの声。
「え?」
馴染みのない単語に思わず聞き返した。
「僕はそう思ってるよ。実際には君が養子にはいったことになってるんだけど、同じことだよ。村の牧師には婚礼の儀を挙げてもらったんだ。だから形じゃなくて、僕たちはもっと深い所で繋がってるんだよ。いずれ二人の屋敷を建てて子供も作ろう。子供は何人がいいかな?」
「ストラ」
楽しそうに話しているストラスの瞳は虚ろで、どこも見ていない。
心配になって肩を軽く揺さぶってみたら、なされるがままになっている華奢な青年であることが確認できた。女性のような顔に白い肌の彼はまるで人形のようだ。
喋ってはいるのにそこには何の感情も籠っていないみたいで、不気味。
虚ろな灰色の瞳がレオが出て行った扉を向いた。
「ねえ、リア」
生気のない声が部屋に響く。その声は私の身体を麻痺させていく。
「こんなに細い君の腕も体も全てすぐに壊してしまえる。今すぐにでも骨を折れる。僕の思い通りにできるよね」
「やめて……」
ストラスの細い腕に力が入っていくことを示すように腕の筋が表に出てきた。握られたままの私の手首がじょじょに締まっていく。
「……け、っこん」
レオの口から小さく反復されたその言葉に私の心臓は機能を放棄しようとした。
「レオっ」
私の短い悲鳴とともに呼ばれた本人は逃げるように早足で去っていった。私が彼を急いで追いかけようとするとストラスの細い腕が私を掴んだ。
咄嗟に力ずくで振り払おうとしたが手に込められた力が余計に強くなっただけだった。
「離して!」
「嫌だよ、リア」
縋るようなその声は泣いていた。私の身体から力が抜ける。
「ストラ、私……」
「夫婦」
レオが好きなの。そう言いかけた私の言葉を遮るストラスの声。
「え?」
馴染みのない単語に思わず聞き返した。
「僕はそう思ってるよ。実際には君が養子にはいったことになってるんだけど、同じことだよ。村の牧師には婚礼の儀を挙げてもらったんだ。だから形じゃなくて、僕たちはもっと深い所で繋がってるんだよ。いずれ二人の屋敷を建てて子供も作ろう。子供は何人がいいかな?」
「ストラ」
楽しそうに話しているストラスの瞳は虚ろで、どこも見ていない。
心配になって肩を軽く揺さぶってみたら、なされるがままになっている華奢な青年であることが確認できた。女性のような顔に白い肌の彼はまるで人形のようだ。
喋ってはいるのにそこには何の感情も籠っていないみたいで、不気味。
虚ろな灰色の瞳がレオが出て行った扉を向いた。
「ねえ、リア」
生気のない声が部屋に響く。その声は私の身体を麻痺させていく。
「こんなに細い君の腕も体も全てすぐに壊してしまえる。今すぐにでも骨を折れる。僕の思い通りにできるよね」
「やめて……」
ストラスの細い腕に力が入っていくことを示すように腕の筋が表に出てきた。握られたままの私の手首がじょじょに締まっていく。
