
異種間恋愛
第16章 見えない想い
飼う?
自分のことを言われているとしばらくしてから気付いた。
ストラスは渋々と言った様子で頷いていた。
「ラドゥ様が正室候補を探している間に目立った動きはしたくなかったので……」
「そうだな。ストラスが気にしている女がいると知っていたら城に呼びつけるなりしていたな」
色とりどりの野菜をとろりとしたチーズに絡めながらラドゥが呟いた。ブロッコリーの緑の頭が黄色いチーズで覆われた。
「ストラス、頭痛む?」
小さな桶にお湯を入れてベッドに戻ると昨日まで私ひとりで使っていた広いベッドに灰色の髪をした優しそうな青年が片足を抱えて座っていた。
「もうそんなに痛まないよ。リアに面倒を看てもらう日がくるなんて思ってもいなかったよ」
そう言いながらも嬉しそうに目を細ませる。
ラドゥはストラスにも個室を用意しようとしたが、不安定な状態のストラスを一人にするわけにはいかなくて私の部屋にしばらく泊まらせることになった。
いつもストラスと同じ寝室で寝起きしていたからなんの違和感も感じないと思っていたのに、何かひっかかる感じがするのはやっぱりレオと出会ったせいだろう。
「私もストラスがこんな無茶するなんて思ってもなかった。それに、ずっと冷や汗かいてるのばれてないと思ってたの?」
よほど頭が痛むのかストラスは食事のときもじんわりと汗をかいていて顔色も真っ青だった。
一人にしたら自分から痛みを訴えることはしないだろうから、しばらく見張っておかなければいけないと確信した。
「はは。ばれてたんだ。予想外」
「もうそんな笑顔作らないでいいから……。私の前だけでもそのままのストラでいて」
途端にストラスの笑顔が崩れて苦しそうな顔になった。
シーツをぎゅうっと握りしめたからストラスの手から血の気が引き、手首に筋が浮いた。
そんなに痛むんだ……。
「横になってたほうがまっし?」
「……うん」
私はストラスが横になるのを手伝ってから、桶にいれたお湯にタオルをひたした。
ゆっくりとストラスの顔の周りをそのタオルで拭う。拭ってはお湯にひたし、絞りを繰り返す。
「リア、なにするの?」
私がストラスのシャツを脱がそうとボタンに手をかけるとストラスの細い指がそれを止めた。
「汗ふくのよ。お風呂はいれないでしょ」
「自分でするよ」
「無理よ」
半ば無理矢理ストラスの体をタオルで拭っていく。
自分のことを言われているとしばらくしてから気付いた。
ストラスは渋々と言った様子で頷いていた。
「ラドゥ様が正室候補を探している間に目立った動きはしたくなかったので……」
「そうだな。ストラスが気にしている女がいると知っていたら城に呼びつけるなりしていたな」
色とりどりの野菜をとろりとしたチーズに絡めながらラドゥが呟いた。ブロッコリーの緑の頭が黄色いチーズで覆われた。
「ストラス、頭痛む?」
小さな桶にお湯を入れてベッドに戻ると昨日まで私ひとりで使っていた広いベッドに灰色の髪をした優しそうな青年が片足を抱えて座っていた。
「もうそんなに痛まないよ。リアに面倒を看てもらう日がくるなんて思ってもいなかったよ」
そう言いながらも嬉しそうに目を細ませる。
ラドゥはストラスにも個室を用意しようとしたが、不安定な状態のストラスを一人にするわけにはいかなくて私の部屋にしばらく泊まらせることになった。
いつもストラスと同じ寝室で寝起きしていたからなんの違和感も感じないと思っていたのに、何かひっかかる感じがするのはやっぱりレオと出会ったせいだろう。
「私もストラスがこんな無茶するなんて思ってもなかった。それに、ずっと冷や汗かいてるのばれてないと思ってたの?」
よほど頭が痛むのかストラスは食事のときもじんわりと汗をかいていて顔色も真っ青だった。
一人にしたら自分から痛みを訴えることはしないだろうから、しばらく見張っておかなければいけないと確信した。
「はは。ばれてたんだ。予想外」
「もうそんな笑顔作らないでいいから……。私の前だけでもそのままのストラでいて」
途端にストラスの笑顔が崩れて苦しそうな顔になった。
シーツをぎゅうっと握りしめたからストラスの手から血の気が引き、手首に筋が浮いた。
そんなに痛むんだ……。
「横になってたほうがまっし?」
「……うん」
私はストラスが横になるのを手伝ってから、桶にいれたお湯にタオルをひたした。
ゆっくりとストラスの顔の周りをそのタオルで拭う。拭ってはお湯にひたし、絞りを繰り返す。
「リア、なにするの?」
私がストラスのシャツを脱がそうとボタンに手をかけるとストラスの細い指がそれを止めた。
「汗ふくのよ。お風呂はいれないでしょ」
「自分でするよ」
「無理よ」
半ば無理矢理ストラスの体をタオルで拭っていく。
