
異種間恋愛
第18章 王子の暗闇
しかし、私の心配をよそにリュカは微笑した。
「そうでしたか。でしたら、城までお連れしましょう」
「お願い、します」
私は大人しくリュカの後ろについていくことになった。
部屋を出る直前、部屋の中を観察すると奥のほうに階段があるのが見えた。
そういえば、この建物は外観の高さが結構あった。この上はどうなっているのだろう。
「リア様?」
「あ、ごめんなさい」
私はこれ以上不審がられないよう、リュカの後について行った。
「ラドゥ様、リア様が迷っていらっしゃたのでお連れいたしました」
「さっそく迷子か。さすがだな。リュカ、ご苦労だった。下がれ」
ラドゥの部屋に到着するまでリュカは時折当たり障りのない話題を口にし、私はそれに相槌を打っていた。不審がられていない?
「いえ。王家の方の世話をさせていただくことがわたくしの喜びですので。では、失礼いたします」
そう言って、立ち去る直前リュカの普段穏やかな目がギラリと光って私を見た。
「……っ」
私はヘビに睨まれたカエルのようにその場に固まって動けなくなってしまった。
今のはなんだったのだろう。たまたま光の加減でそう見えたのだろうか。
「で?」
肘掛け椅子に深く腰掛けたまま私のほうを面白そうに見るラドゥ。
「ま、迷子になりました……」
叱られた子供のようだと自分でも思う。
ラドゥが急に笑い始めた。
「ははっ。お前は本当に面白い奴だな。迷子になる奴はなかなかいないぞ」
「……」
何も言えない……。
「どこで迷子になったんだ?」
私が迷子という言葉に眉をしかめるのを見てもっと面白がる王子。
細められた赤い瞳が私を見つめる。組まれた長い脚が美しい。
ストラスのように白い肌も綺麗で、癖のある黒髪に縁どられた輪郭は完璧ですらりとした鼻に妖艶な唇に思わずどきりとしてしまう。
「そうでしたか。でしたら、城までお連れしましょう」
「お願い、します」
私は大人しくリュカの後ろについていくことになった。
部屋を出る直前、部屋の中を観察すると奥のほうに階段があるのが見えた。
そういえば、この建物は外観の高さが結構あった。この上はどうなっているのだろう。
「リア様?」
「あ、ごめんなさい」
私はこれ以上不審がられないよう、リュカの後について行った。
「ラドゥ様、リア様が迷っていらっしゃたのでお連れいたしました」
「さっそく迷子か。さすがだな。リュカ、ご苦労だった。下がれ」
ラドゥの部屋に到着するまでリュカは時折当たり障りのない話題を口にし、私はそれに相槌を打っていた。不審がられていない?
「いえ。王家の方の世話をさせていただくことがわたくしの喜びですので。では、失礼いたします」
そう言って、立ち去る直前リュカの普段穏やかな目がギラリと光って私を見た。
「……っ」
私はヘビに睨まれたカエルのようにその場に固まって動けなくなってしまった。
今のはなんだったのだろう。たまたま光の加減でそう見えたのだろうか。
「で?」
肘掛け椅子に深く腰掛けたまま私のほうを面白そうに見るラドゥ。
「ま、迷子になりました……」
叱られた子供のようだと自分でも思う。
ラドゥが急に笑い始めた。
「ははっ。お前は本当に面白い奴だな。迷子になる奴はなかなかいないぞ」
「……」
何も言えない……。
「どこで迷子になったんだ?」
私が迷子という言葉に眉をしかめるのを見てもっと面白がる王子。
細められた赤い瞳が私を見つめる。組まれた長い脚が美しい。
ストラスのように白い肌も綺麗で、癖のある黒髪に縁どられた輪郭は完璧ですらりとした鼻に妖艶な唇に思わずどきりとしてしまう。
