
異種間恋愛
第18章 王子の暗闇
レオともストラスとも違う魅力。
「迷ってたから場所なんて分からないに決まってるでしょっ」
動揺を悟られまいとすると自然と言葉が荒くなる。
「ふん。この城と前庭、それに後ろに使用人専用の建物しかないのにな」
「えっと……」
そうだ。あれはただの使用人専用の建物だった。好奇心から建物に侵入してしまったと言っても馬鹿だな、と鼻で笑われるだけで済むかもしれない。
「……百面相」
「えっ!?」
「はははっ。お前は本当に良い玩具になるな。もっとからかってやりたくなる」
また突然笑い出したラドゥに私は呆気にとられる。
「また顔に出てるぞ。意味が分からないって顔だな。はあ、本当に気に入った」
「な、なによ」
「お前がなにを考えているのか俺が気付かないとでも?」
私は数回瞬きを繰り返した。
「お前と街で会った時、女がお前をかばっただろ」
「っ!?」
フローラさんのことだ。覚えていたなんて……。
それどころかフローラさんが私をかばっていたことまでばれている。
「そして。お前がさらに女をかばった。自分の素性を明かしてまでな。ストラスはお前を探してた。お前はなぜか森からレオと出てきた。なにがあったか詳しくは知らないが、お前はストラスから逃げてきたようにしか見えないだろ。素性を明かせばストラスに見つかる可能性がぐっと上がる。それでも、女をかばうために自分の名を告げた」
全て当たっている……。私は何も言うことができず、椅子から立ち上がるラドゥを目で追うことしかできない。
ラドゥは私の目の前に立った。
目の前というより接近しすぎて視界にはラドゥのはだけたシャツと白い肌が映る……と思っていたら急に屈んだのかラドゥの顔が目の前に現れる。
息がかかるほど近い。まじまじと観察するラドゥは私のことを本当に玩具だと思っているのかもしれない。
「なぜあの女もお前もかばいあったんだ?」
「何のこと? 本当に彼女は知らない人よ。勘違いしてたんだわ」
どもりながらも言い返すと、ラドゥの指先に顔を掴まれた。
「さっきも言ったが、俺が気付かないと思っているのか? それとも、お仕置きが必要か?」
にやりと笑ったラドゥが嫌になるほど妖艶で恐ろしい。
「迷ってたから場所なんて分からないに決まってるでしょっ」
動揺を悟られまいとすると自然と言葉が荒くなる。
「ふん。この城と前庭、それに後ろに使用人専用の建物しかないのにな」
「えっと……」
そうだ。あれはただの使用人専用の建物だった。好奇心から建物に侵入してしまったと言っても馬鹿だな、と鼻で笑われるだけで済むかもしれない。
「……百面相」
「えっ!?」
「はははっ。お前は本当に良い玩具になるな。もっとからかってやりたくなる」
また突然笑い出したラドゥに私は呆気にとられる。
「また顔に出てるぞ。意味が分からないって顔だな。はあ、本当に気に入った」
「な、なによ」
「お前がなにを考えているのか俺が気付かないとでも?」
私は数回瞬きを繰り返した。
「お前と街で会った時、女がお前をかばっただろ」
「っ!?」
フローラさんのことだ。覚えていたなんて……。
それどころかフローラさんが私をかばっていたことまでばれている。
「そして。お前がさらに女をかばった。自分の素性を明かしてまでな。ストラスはお前を探してた。お前はなぜか森からレオと出てきた。なにがあったか詳しくは知らないが、お前はストラスから逃げてきたようにしか見えないだろ。素性を明かせばストラスに見つかる可能性がぐっと上がる。それでも、女をかばうために自分の名を告げた」
全て当たっている……。私は何も言うことができず、椅子から立ち上がるラドゥを目で追うことしかできない。
ラドゥは私の目の前に立った。
目の前というより接近しすぎて視界にはラドゥのはだけたシャツと白い肌が映る……と思っていたら急に屈んだのかラドゥの顔が目の前に現れる。
息がかかるほど近い。まじまじと観察するラドゥは私のことを本当に玩具だと思っているのかもしれない。
「なぜあの女もお前もかばいあったんだ?」
「何のこと? 本当に彼女は知らない人よ。勘違いしてたんだわ」
どもりながらも言い返すと、ラドゥの指先に顔を掴まれた。
「さっきも言ったが、俺が気付かないと思っているのか? それとも、お仕置きが必要か?」
にやりと笑ったラドゥが嫌になるほど妖艶で恐ろしい。
