
異種間恋愛
第3章 不器用な優しさ
リスが毛繕いしているのをじっと見ていると自分の汚れた膝小僧が目に入った。
昨日、スカートの裾をちぎったため足首を隠していた白いワンピースの裾があろうことか膝の上までになっていた。
ドレープが程良くついた白いシフォン生地にはストラスの血が少量ついているほかに土や草の上に座っているため真っ白ではなくなっていた。
この服はお母様が選んでくれたっけ……。こんなにしてしまって申し訳ないな。
心がまた曇り始めようとした時、何かに気がついたのかリスが急に毛繕いをやめて私の膝から降りるとまたラズベリーを持ってきた。
小さい両手に一粒持ってきては私の膝に置き、また一粒持ってきては置く。
きょろきょろと周りを見まわし、他にも青い実や赤黒い実があるのに私が美味しいと微笑んで食べたラズベリーだけを持ってくる様子が堪らなく愛おしい。
「ありがとう」
私の膝にラズベリーを置いてまた持ってこようとするリスを手で制し私の目の高さまで持ち上げた。
肩手に収まるほど小さくて丸い目が私の瞳を見つめた。
「あなた、名前は?」
リスは首を傾げて私を見上げる。
「動物にそれぞれの名前はない。人間が勝手につけるだけだろ」
「そうなのね……。名前つけてもいいかしら?」
レオはリスをじっと見つめた後に頷いた。
「やった。この子は女の子?男の子?」
「雌だ」
「女の子なのね。じゃあジャスミンにしましょう」
リスは意味が分かっているのか分かっていないのか不明だが、小さく飛び跳ねたということは喜んでいるということかもしれない。
「お前は名前をつけるのが趣味なのか」
「そうかもしれない」
私は微笑みながら言った。小さい頃から色々なものに名前をつけていた。
ファング、ピンにハッピー。小さい子が考えそうな名前ばかりだと思い、小さく笑ってみたら心がすっきりした。
レオはひとりで笑いだした私をじっと見てから「ついてこい」と唸った。
昨日、スカートの裾をちぎったため足首を隠していた白いワンピースの裾があろうことか膝の上までになっていた。
ドレープが程良くついた白いシフォン生地にはストラスの血が少量ついているほかに土や草の上に座っているため真っ白ではなくなっていた。
この服はお母様が選んでくれたっけ……。こんなにしてしまって申し訳ないな。
心がまた曇り始めようとした時、何かに気がついたのかリスが急に毛繕いをやめて私の膝から降りるとまたラズベリーを持ってきた。
小さい両手に一粒持ってきては私の膝に置き、また一粒持ってきては置く。
きょろきょろと周りを見まわし、他にも青い実や赤黒い実があるのに私が美味しいと微笑んで食べたラズベリーだけを持ってくる様子が堪らなく愛おしい。
「ありがとう」
私の膝にラズベリーを置いてまた持ってこようとするリスを手で制し私の目の高さまで持ち上げた。
肩手に収まるほど小さくて丸い目が私の瞳を見つめた。
「あなた、名前は?」
リスは首を傾げて私を見上げる。
「動物にそれぞれの名前はない。人間が勝手につけるだけだろ」
「そうなのね……。名前つけてもいいかしら?」
レオはリスをじっと見つめた後に頷いた。
「やった。この子は女の子?男の子?」
「雌だ」
「女の子なのね。じゃあジャスミンにしましょう」
リスは意味が分かっているのか分かっていないのか不明だが、小さく飛び跳ねたということは喜んでいるということかもしれない。
「お前は名前をつけるのが趣味なのか」
「そうかもしれない」
私は微笑みながら言った。小さい頃から色々なものに名前をつけていた。
ファング、ピンにハッピー。小さい子が考えそうな名前ばかりだと思い、小さく笑ってみたら心がすっきりした。
レオはひとりで笑いだした私をじっと見てから「ついてこい」と唸った。
