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異種間恋愛

第1章 告白

「僕が君の両親を殺したのは君のせいなんだ」
「うそっ!!……嘘……でしょ」
 ストラスの灰色の瞳を見つめるとなぜだか急に手首を拘束していた彼の力が弱まった。
 私はするりと彼の手から逃れると、ストラスのほっそりした体をありったけの力で押しのけて立ち上がった。
「リア、嘘じゃないんだ」
「ストラがそんなことするはずないじゃないっ!!」
 ストラスは村一番の秀才で女からも男からも慕われていた。
 その理由には彼の群を抜いた美しい容姿にもあるけれど、心根の優しさが大半を占めていた。
 頭がよく切れ、運動も少し習うだけで抜群の能力を発揮し、年下の子供たちには面倒見がいいお兄さんで年上の大人たちには積極的になんでも学ばせてもらおうという姿勢で弟のように可愛がられている。
 同い年の友だちとは普通の子と同じように冗談を言い合ったり、時には大人たちに叱られるような悪戯もしてのけるところが誰の癪に障らず、逆に良い印象を与えているのかもしれない。
 そんな彼の傍に幼い頃からひっついて回っていた私は周りの女の子たちから妬まれ、嫌がらせや陰口を叩かれることもよくあったが、ストラスはそれにいち早く気付くと女の子たちも傷つけないように止めさせるのだった。
 そのおかげで引っ込み思案で泣き虫な私も周りに沢山の友だちが出来るようになった。

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