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異種間恋愛

第1章 告白

「そ、れは……。なにかの間違いで……」
 はははっとストラスの乾いた笑い声が響く、目は全く笑っておらずそれが余計に恐ろしい。
「そうかもしれないね、間違ってリアの家に毒キノコをお裾分けに行ったのかもしれない。だって僕もその頃数えて5つくらいの歳だったしね」
 ストラスがキノコを私の家に持ってきたことは初めて聞いたが驚くようなことではない、村の中では誰もがすることだ。
 まして5つの子供が意図的に毒キノコを死んでほしいと思う家に持っていくなど考えられない。
「そ、そうよ。ストラはきっと親切心でそうしたんだわ。私、そんなこと聞いても全然あなたのこと恨んだりしないわよ。だって、ストラはその後ずっと私のことをお兄ちゃんのように面倒を見てくれたし、お母様もお父様もとても優しく実の親のように接してくれたもの」
 本当の家族のようだとよく言われるし、事情を話すまでは私たちのことを実の家族だと勘違いする人がほとんどなのだ。
「真向かいの家の子供が両親に死なれてひとりになって、しかもその家と僕の家は昔から敵対関係にあった互いに王族の血を持つ家系だ。こんなチャンスはないだろう?」
 私たちの住む村は大きく他の村に比べて繁栄していた。それも王族が住んでいるからだった。
 私とストラスの家があることで国王からも贔屓にされていたのだ。

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