
異種間恋愛
第8章 動き出す捜索
ビビアンは苦い顔をして黙った。
「それは……」
「他には?」
ビビアンは水色の瞳を見開いて僕を見た。その顔は他の男から見れば息を呑むほど美しいらしいけれど、あいにく僕は何とも思わない。
「他にリアのことに関しての情報は?」
物分かりの悪い女に苛立ちながらわざと大きな声でゆっくり問う。
「……」
またしても閉口するビビアンに今度は殺意さえ覚えた。
「なにか知っているんだね? 頼む。教えてほしいんだ」
下手に出ればビビアンは薄い唇の片端を吊り上げて微笑んだ。リアのそれとは違う醜い笑顔。
「たいしたことではないと思いますわ」
この女……。
「頼む。関係ありそうなことはなんでも教えてくれないか。お礼ならするから」
早く答えを聞きたくて自分から切り出した。
ビビアンがこんな顔をする時はなにか悪いことを考えている時だ。今回は情報と引き換えに僕に何かを求めているのだろうと容易に想像ができた。
「まあ、お礼なんて。そんな」
「いいから、早く」
「リア様が森に入る前に呟いた声が聞えましたの。『ストラ、さようなら』っていう声が」
さようなら……。リアはもう戻ってくるつもりはなく森へ入った? そんな馬鹿な。
ひとりで森へ行くなんて自殺しに行くようなものだ。リアは自ら命を絶つことほど悲しいことはないとよく言っていた。そんなリアが? そんなはずはない。
「ストラス様?」
「森は……どのくらいの大きさだった?」
「大きさははっきりは分かりませんわ。でも、確か森を短く横に抜ければ隣町に着きますわ」
リアがそんな中途半端に僕の元から去るわけがない。
行くなら隣町なんかではなく、もっと遠く……捜されても隠れて見つかりにくい……都っ!?
「それは……」
「他には?」
ビビアンは水色の瞳を見開いて僕を見た。その顔は他の男から見れば息を呑むほど美しいらしいけれど、あいにく僕は何とも思わない。
「他にリアのことに関しての情報は?」
物分かりの悪い女に苛立ちながらわざと大きな声でゆっくり問う。
「……」
またしても閉口するビビアンに今度は殺意さえ覚えた。
「なにか知っているんだね? 頼む。教えてほしいんだ」
下手に出ればビビアンは薄い唇の片端を吊り上げて微笑んだ。リアのそれとは違う醜い笑顔。
「たいしたことではないと思いますわ」
この女……。
「頼む。関係ありそうなことはなんでも教えてくれないか。お礼ならするから」
早く答えを聞きたくて自分から切り出した。
ビビアンがこんな顔をする時はなにか悪いことを考えている時だ。今回は情報と引き換えに僕に何かを求めているのだろうと容易に想像ができた。
「まあ、お礼なんて。そんな」
「いいから、早く」
「リア様が森に入る前に呟いた声が聞えましたの。『ストラ、さようなら』っていう声が」
さようなら……。リアはもう戻ってくるつもりはなく森へ入った? そんな馬鹿な。
ひとりで森へ行くなんて自殺しに行くようなものだ。リアは自ら命を絶つことほど悲しいことはないとよく言っていた。そんなリアが? そんなはずはない。
「ストラス様?」
「森は……どのくらいの大きさだった?」
「大きさははっきりは分かりませんわ。でも、確か森を短く横に抜ければ隣町に着きますわ」
リアがそんな中途半端に僕の元から去るわけがない。
行くなら隣町なんかではなく、もっと遠く……捜されても隠れて見つかりにくい……都っ!?
