
異種間恋愛
第9章 憧れの都
小さな部屋には小さなキッチンと椅子が数脚とテーブルがあるだけのシンプルな場所だった。
入ると、お姉さんは木でできた椅子をひっぱり出してきて座るようにと促した。
「いま、紅茶いれるわね。冷たいのでいいかしら?お砂糖はいる?」
お礼ってなんだろう、と考える暇もなくテキパキと動くお姉さんが聞いてくる。
すごく動きと質問が速くて私はくらくらし始めた。
「えっと、お砂糖……でいいです。え? あ、じゃなくて冷たいのでいいです。あと、お砂糖もあったら嬉しいです」
しどろもどろになりながらどうにか返事を返せばお姉さんが紅茶のポットを手に爆笑し始めた。
「はははっ、あなた面白いわね。すっごく可愛いわ。名前は?」
「リ、リアです。リア・アストリアンです」
「ミドルネームがないの? 珍しいわね」
「ええ、まあ……」
本当はあるのだけれど、それを言えば私が王族だとばれてしまう。そうなればお姉さんは驚くだろうし、都とはいえ小さな騒ぎになってしまうかもしれない。それにストラスの耳にはいることも考えられるから黙っていることにした。
「私のことはフローラって呼んで」
「フローラさん。あ、それでお礼って」
グラスを取り出し、大きな氷をはいるだけ入れているフローラさんを腰を捻って振り返る。
「ああ、リアちゃんのそのワンピースのおかげでアイデアが浮かんだから。そのお礼よ。絶対に流行るわよー」
鼻に思いっきり皺を寄せて、グラスを両手に小さく踊ってみせるフローラさんはすごくチャーミングだ。
「でも、こんなに丈が短いものなんて驚かれるんじゃ?」
フローラさんは舌でチッチと鳴らした。
「今は短い丈のものが流行ってるのよ。ま、嫌う人もいるけど」
さっきは人の多さに驚いてその服装までよく見ていなくて気付かなかった。
「ほ、本当ですかっ?」
「ええ。あ、だからお礼に新しい服プレゼントさせてね。このくらいさせてくれなきゃ、私はリアちゃんのアイデア奪ったみたいで居心地悪いんだから、私を助けると思って」
「でも」
フローラさんがアイスティーを運んできてくれた。
「ね、お願い」
それでも、さっき会ったばかりの人に洋服をもらうなんて気が引ける。
入ると、お姉さんは木でできた椅子をひっぱり出してきて座るようにと促した。
「いま、紅茶いれるわね。冷たいのでいいかしら?お砂糖はいる?」
お礼ってなんだろう、と考える暇もなくテキパキと動くお姉さんが聞いてくる。
すごく動きと質問が速くて私はくらくらし始めた。
「えっと、お砂糖……でいいです。え? あ、じゃなくて冷たいのでいいです。あと、お砂糖もあったら嬉しいです」
しどろもどろになりながらどうにか返事を返せばお姉さんが紅茶のポットを手に爆笑し始めた。
「はははっ、あなた面白いわね。すっごく可愛いわ。名前は?」
「リ、リアです。リア・アストリアンです」
「ミドルネームがないの? 珍しいわね」
「ええ、まあ……」
本当はあるのだけれど、それを言えば私が王族だとばれてしまう。そうなればお姉さんは驚くだろうし、都とはいえ小さな騒ぎになってしまうかもしれない。それにストラスの耳にはいることも考えられるから黙っていることにした。
「私のことはフローラって呼んで」
「フローラさん。あ、それでお礼って」
グラスを取り出し、大きな氷をはいるだけ入れているフローラさんを腰を捻って振り返る。
「ああ、リアちゃんのそのワンピースのおかげでアイデアが浮かんだから。そのお礼よ。絶対に流行るわよー」
鼻に思いっきり皺を寄せて、グラスを両手に小さく踊ってみせるフローラさんはすごくチャーミングだ。
「でも、こんなに丈が短いものなんて驚かれるんじゃ?」
フローラさんは舌でチッチと鳴らした。
「今は短い丈のものが流行ってるのよ。ま、嫌う人もいるけど」
さっきは人の多さに驚いてその服装までよく見ていなくて気付かなかった。
「ほ、本当ですかっ?」
「ええ。あ、だからお礼に新しい服プレゼントさせてね。このくらいさせてくれなきゃ、私はリアちゃんのアイデア奪ったみたいで居心地悪いんだから、私を助けると思って」
「でも」
フローラさんがアイスティーを運んできてくれた。
「ね、お願い」
それでも、さっき会ったばかりの人に洋服をもらうなんて気が引ける。
