
異種間恋愛
第11章 王子と獣
空気を勢いよく縦に切り裂いていく私の身体に下から強風が吹きつける。ワンピースの裾がばたばたと煩い音をたてて暴れる。髪が逆立って宙に浮いている。
身体の中の臓器が全て口から出てきそうな強烈な重力を感じた。
私は目を閉じた。裸の足が涼しく心地よくさえ感じる。
水の中に突っ込んでいく自分の身体を想像してみた。
打ちどころが悪ければ死ぬだろう。何も考えていなかったわけではない。最悪、命を落とす可能性だってあると分かっている。
それでも、私が生きて城に行けばフローラさんはさっきのように何か行動を起こすかもしれない。もし、そんなことにでもなれば私は……。
それ以上に、他の人のものになるなんて考えられないのだ。もうすでにストラスの嫁であるかもしれないのに、そんなことを思ってしまうのはおかしいだろう。
でも、他の人の……他ということは誰か心の中にいる。誰かはもう分かってしまった。
人ではない彼を愛してしまった。
それに、実は確信していた。ありえないと分かっているのに確信はしている。彼は私にとって英雄だから、信じても‥‥‥いいだろう。
私の頭には黄金の毛並みをした大きなライオンの姿しか思い浮かばない。
彼の名前を呼びたい衝動に駆られた。私が勝手につけた名前だけどそれでいい。名前すら教えてもらってないけれどそんなこと問題じゃない。好きだから、好きな人を呼ぶのに余計な理屈はいらない。
だから思い切って初めて口に出して言ってみた。私の初めての大きすぎる想い。
「レオ、好き」
身体の中の臓器が全て口から出てきそうな強烈な重力を感じた。
私は目を閉じた。裸の足が涼しく心地よくさえ感じる。
水の中に突っ込んでいく自分の身体を想像してみた。
打ちどころが悪ければ死ぬだろう。何も考えていなかったわけではない。最悪、命を落とす可能性だってあると分かっている。
それでも、私が生きて城に行けばフローラさんはさっきのように何か行動を起こすかもしれない。もし、そんなことにでもなれば私は……。
それ以上に、他の人のものになるなんて考えられないのだ。もうすでにストラスの嫁であるかもしれないのに、そんなことを思ってしまうのはおかしいだろう。
でも、他の人の……他ということは誰か心の中にいる。誰かはもう分かってしまった。
人ではない彼を愛してしまった。
それに、実は確信していた。ありえないと分かっているのに確信はしている。彼は私にとって英雄だから、信じても‥‥‥いいだろう。
私の頭には黄金の毛並みをした大きなライオンの姿しか思い浮かばない。
彼の名前を呼びたい衝動に駆られた。私が勝手につけた名前だけどそれでいい。名前すら教えてもらってないけれどそんなこと問題じゃない。好きだから、好きな人を呼ぶのに余計な理屈はいらない。
だから思い切って初めて口に出して言ってみた。私の初めての大きすぎる想い。
「レオ、好き」
