
異種間恋愛
第11章 王子と獣
その言葉と同時に落下していく私の身体が何か大きなものに横から攫われた。
柔らかな毛並みを腕いっぱいで抱きしめた。やっぱり、やっぱり来てくれた。
「死ぬ気か。この馬鹿」
いつものレオの低い声を聞くと涙が溢れてきた。
「タイミング……良すぎだよ。レオ」
黙ってレオに抱きつく力を強めた。
レオが空気を蹴った。もう滝が目の前にある。地面がはっきり見える。
レオは水の中、ぽつりと存在している島のような大きな岩にふわりと着地した。本当にただのライオンではないのだと改めて驚く。
沈黙が流れる。
周りの水の音しか聞こえない。
私はまだ止まらない涙をレオの背中に浸み込ませている。
「無茶は……するなと言った。覚えているか」
うんうんと頷けば、柔らかい毛が顔を拭ってくれた。
「なにがあったのかは分からないが、これは無茶じゃないのか?」
「……ごっ、ごめんな……さっ、い」
息を上手く吸う事ができなくなった。落ち着こうとして大きく息を吸い込むのに喉の震えで空気を吐き出すことが難しい。
「泣くな。水に飛び込めば、風邪をひくだろ。もう、二度と俺のいない所で水遊びはしようとするな。いいな」
レオがいなければ頭をぶつけて死んでいたかもしれない。
「うっうん……。レオっ」
大好き……、と言おうとした。それなのに、レオがそれを知ってか知らずか遮って言った。
短く、低い声で。
――リア、好きだ。
柔らかな毛並みを腕いっぱいで抱きしめた。やっぱり、やっぱり来てくれた。
「死ぬ気か。この馬鹿」
いつものレオの低い声を聞くと涙が溢れてきた。
「タイミング……良すぎだよ。レオ」
黙ってレオに抱きつく力を強めた。
レオが空気を蹴った。もう滝が目の前にある。地面がはっきり見える。
レオは水の中、ぽつりと存在している島のような大きな岩にふわりと着地した。本当にただのライオンではないのだと改めて驚く。
沈黙が流れる。
周りの水の音しか聞こえない。
私はまだ止まらない涙をレオの背中に浸み込ませている。
「無茶は……するなと言った。覚えているか」
うんうんと頷けば、柔らかい毛が顔を拭ってくれた。
「なにがあったのかは分からないが、これは無茶じゃないのか?」
「……ごっ、ごめんな……さっ、い」
息を上手く吸う事ができなくなった。落ち着こうとして大きく息を吸い込むのに喉の震えで空気を吐き出すことが難しい。
「泣くな。水に飛び込めば、風邪をひくだろ。もう、二度と俺のいない所で水遊びはしようとするな。いいな」
レオがいなければ頭をぶつけて死んでいたかもしれない。
「うっうん……。レオっ」
大好き……、と言おうとした。それなのに、レオがそれを知ってか知らずか遮って言った。
短く、低い声で。
――リア、好きだ。
